本当にあったリアルな怖い話・恐怖の事件 ~現代の怪談~

なんだかんだで生きている人間が一番怖い・現代の怪談ともいえる本当にあった怖い話や恐怖の未解決事件です。

セクハラ、ストーカー、悩み解決と称して恐喝

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ケンカの早さと強さだ。もともと小学校、中学校時代がガキ大将、高校中退後に入ったチームでもリーダーと、向かうところ敵なし。これで大人しくなれというのが無理な相談だろ、

オレはそんな自分の性格がいたく気に入っていた。一発殴れば、どんなにヤンチャな相手でもシュンとなる。例え自分に非がある場合でも、文句を言う輩はー人もいない。暴君の座は実に甘美だった。

そんなある日。オレの性格を知り抜いている店の常連客、ヨウコが思い詰めたように咳いた。

「私な、いまムチャ怖い目に遭うとんねん。ストーキングされてんねやんか」

「ストーキング!?」

カワイイ顔して、典型的な悪女タイプのョウコである。おおかた捨てた男に逆恨みでもされたに違いない。

「んもっ、きついんやから。けど、図星やから何も言われへんわ」
相手は3カ月ほど前に別れた元カレで、彼女がヨリを戻す気がないとわかるや、イヤガラセを始めたのだという。

「このーカ月、毎晩毎晩、玄関にコンビニの袋が置かれとって。携帯にもバンバン無言電話がかかってくるし。ホンマ気が狂いそうやわ」

「警察には行ったんか」

「うん。けど、事件やないから動かれへんて」

「ほな、オレがやめさせたろか」

「え、どうやって」

「コンビニの袋置きにくんねやろ。オマ工が会社行ってる間に話つけたるわ」

「面倒なことはいややで」

「大丈夫。心配すなて」

うまく乗せられたとしか言いようがないが、これも成り行き。きっちり解決して、ヨウコにタダマンでも恵んでもらおうやないか。

翌日のタ方、物陰からョウコのマンンョンを伺っていると、ほどなくコンビニ袋を抱えた男が現れた。痩せ型の若い男。身長は170センチほどか。

ーおっしゃ行くかーと腰を浮かし、ハタと思い直した。頭に血の上ったストーカーが他人の説教に聞く耳など持つだろうか。

一発くれてやった方が話が早いのんとちゃうか。あんなもやしじゃ、到底オレにはかなっまい。

「ナニさらしとんじゃボケ」

男に駆け寄るや、先手必勝とばかり、顔面にパンチ。抵抗のヒマを与えす、馬乗りの体勢でしばきあげる。

「わしはョウコから頼まれた者や。アイツのことはあきらめろ。迷惑してんねん」

「…オマ工に関係ないやないか」

「なんやと、コラ」

男にさらに1、2、3発とお見舞いする。

「あんた、▲▲に勤めとるんやてな。そんな大手の社員さんがマズイんちゃうの、一緒に会社に行こか」

「い、いや、それだけはカンベンしてください。ヨウコとは別れますから」

会社の件を口に出したら態度が変わった。おっしゃ、一件落着や。…いや、ちょっと待て。このまますんなり男を解放してええのんか。ヨウコに感謝されて、うまくいけばヤレるかもしれんが、それだけじゃワリに合わんやろ。それはやっば金しかないわな。よっしゃ、ちょっと追い込んだれ。

「オマエ、ことばだけでカンベンしてくれって、それで済むと思ってんの?」

「・・…」

「考えたらわかるやろ、大人やったら」
「・・いくらですか」
男は瞬時に事情を呑み込んだ。そのあまりにあっさりした態度に逆にこっちが驚くほどだ。ま、ええやろ。おまえがその気なら、オレもふっかけさせてもらいましょ。

「50もろとこか」「50・・・」
〈セクハラ、ストーカー、他、悩みなんでも解消ー相談料無料。料金は貴女が決めてください〉

相談料が無料で、料金も応相談。これだけ良心的なら童冗繁盛間違いなしー。・なんで考えは大アマだった。電話やメールはほとんどイタズラで、数少ない依頼もオンナを殺してくれなどアブないものばかり。やっばアカンかあー

「ストーカー退治してもらえるんやろか」

23才のOLが電話をかけてきたのは、半ばあきらめかけていたーカ月後のことだ。

「どんな事情でっか」

聞けばこの彼女、半年ほど前に別れた男から、イタ電や待ち伏せなどを受けてるそうなのだが、今の彼氏にバレるのが怖くて、警察にも行けないのだという。

「10万円ぐらいしかお支払できないんですけど…。何とかお願いできないでしようか」「男、どこの会社に勤めてはります?」

「××コーポレーション」

××コーボレーションといえば、押しも押されぬ大手の商事会社。申し分のない相手だ。オレはすぐに約束を取り付けた。喫茶店に現れたのは、ブスでも美人でもない、どこにでもいそうな女だっだ。

「お引き受けするのは構わないんですが、一つ条件があります」

「なんですか」

「話をつける日に、あなたにも同席して頂きたいんですよ」

「え」驚いた表情の女に、オレはゆっくり説明した。自分は当日、男にリンチを加える予定だ。モノわかりの悪い相手には、わかりやすい恐怖を。これがオレの経験側に基づいた最良の方法だ。唯一の心配があなたである。

この世の中、彼氏と別れたさに、ウソを付く女などゴマンといる。もしもあなたがそうだとしたら、男が逆ギレ、最悪、表沙汰にだってなるかもしれない。そこでウソがないか確かめるためにも、共犯者というリスクを背負ってもらいたいのだ、と。

「これが無理ならお引きうけできませんね」「・・-・・」

女はしばし考えた末、小さな声で

「お願いします」とうなずいた。

ー週間後の奄彼女を付近の喫茶店で待たせ、男が住むマンションを訪ねた。

「すいません、宅配便ですが」

「ちょっと待って」っとドアを開けのこのこ出てきたのはスエット姿のやせぎすの男。オレはーつ息を吸った後、いきなり横面をブン殴った。

不意打ちを喰らいパニクったのだろう、驚樗の表情で後ずさる男に、さらにドスを突きつける。

「服脱げっていっとんねん」「…はい」

マジで殺されると思ってるのか、男は実に素直だ。ここでオレはすかさず携帯をプッシュし、女を呼び出した。
ほどなく部屋に入ってきた彼女に、男が自失となった。打ち合わせどおり、マジックで私はストーカーです。最低の人間ですと男の腹に書き付け、その姿を収めるや、逃げるように部屋から出ていく彼女。男は自分に何が起きているのかまづたく理解してない様子だ。

「また彼女に付きまとったり、オレがパクられたときは、オレの仲間がオマ工を狙っことになるで。わかったか」

頭を垂れる男に畳みかける。

「よし。ほんだら、大人の話し合いしよか。さっきの写真、いくらでかってくれるねん」

この男もまた同様サラ金から工面した金を支払った。額は前回の倍、100万円である。
依頼は月イチペースで舞い込んだ。内容はどれもこれも似たりよったり。元カレに付きまとわれてる。彼氏が別れてくれないー。早い話が、別れ話の延長だ。一相手をきっちり選んだのもよかったのか、失敗は一度もなかった。

どうだろう。2年間で2千万は引っ張ったか。しかし、オレはいささか調子にのりすぎた。ある日、トンデモない目に遭ってしまったのだ。

依頼者が19才の女子大生で、ストー力ーはー年間付き合った元カレ。男が一流企業勤めだというので、ニつ返事で仕事を引き受けた。さっそくターゲットの自宅に尾配便ですとあがり込み、すかさず男にパンチを喰らわす。とその瞬間、視界が黒い影を捉えた。「なんや、ワレ」

…あれー、お客さんが来てはったんですか。いやー、にいてもやけにイケイケのご様子で。こりゃまた失礼しました。などと言えるはずもなく、オレはその場でボコボコに叩きのめされた。警察に突き出されなかったのがせめてもの幸運だろう。もっとも、こんなことでメゲるオレではない。

どころか怒りは頂点に達し、その日のうちにチーム時代の仲間5人を従え、お礼参りに向かった。

ピンポーンとチャイムを押し、再び男の部屋に乱入。

「オマエらな、ケンカは相手みてやれ」

正座の2人を思い切りドツキ回す。「すんまへん」

ええわ。とにかく、あのコにはもうニ度と近つくんやない

「はい」「それと、オレの治療費も払てくれ。パンチー発でー万円で20万円じゃ」

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ある日のこと。客用の堆構に着信があった。

「あー、HP見せてもろたんやけどなあ、オマェ、誰に断ってこんな商売しとねん。明日の6時に××町の喫茶店で待ってるさかい、こいや」

口振りからして、相手は明かにスジモン。どないしよ。このままバックレても、付け狙われるだけやろし。行くしかないか・・

指定の場所には、いかにもなスーツに身を包んだ2人の男が待っていた。

「とにかく、月20だけ収めえや。ほんだら、ナンボでもウチらの名前使わせたるから」「いや、一応、親しくさせてもろとる方がおるんで」

一か八かで、以前飲み屋で偶然手に入れた名刺を差し出した。逆効果になる危険もあるが、ここはカケや。果たして・・

「な、なんや。××会がケツ持ちかいな。そついうことは早くいってくれんと。ほな、気いつけや」

他にも、こんなことがあった。毎度のように本人の家でストーカーをボコボコにしていると、

「オマェ、何やっとんねん」
「あんな、勝手に人の家に入ってくんなや。いま取り込み中やねん。帰って帰って」

「元気ええのー。わしゃ警察のモンやけどー「えー」どうやらこのオッサン、110番通報で駆けつけたわけではなく、単に隣家の住人らしい。聞かせてくれるか」

「相手は警察、へタに隠しても仕方がないと、洗いざらい事情を話した」

むろん一切口にしない。ところが、どうも様子がおかしい。住居不法侵入、暴行、脅迫とー数々の罪を犯したといっのに、オヤジは妙に親しげなのだ。どういつこっちゃ。「いや、あんまり大きな声じゃ言えんけど、わしらもストー力ーには手を焼いとんねん。オマェ、派手にならん程度にがんばりや」

何だかよくわからない話だが、とりあえずその場からはめでたく釈放とあいなった。

40回の仕事を成功させたころ、深刻な電話がかかってきた。同棲中の彼氏の元から飛び出してきたというこの女は25才のフーゾク嬢で~男はその稼ぎで暮らすヒモらしい。「何回別れたいって言っても、絶対に許してくれないんです。力になってください」

さっそく喫茶店で待ち合わせると、隅のボックスに顔がボコボコに腫れ上がった若い女が座っていた。これはヒドすぎる。数日後、男の元へ向かうと、これがあっさり

「わかれます。勘弁してください」ときたから拍子抜けである。むろん、男から金を取るのも忘れなかった。知り合いの車金融の人間に身柄を渡し、空口ーンを組ませることにしたのだ。しかし・・すぐにアパートへ出向くと、案の定、ヤツは不在。ナニか手がかりはとテーブルの紙切れを拾い上げ体が凍りついた。

「お父さん、お母さん、どうか先にこの世を去る息子をお許しください」

男が本当に自殺したかどうかはわからない。案外、実家で隠れて生活してるのかもしれない。ただ、オレはこれを機にすっぱり足を洗った。